産後、生理はいつ来るのかなと気になっている方もいるでしょう。次の妊娠を考えている人も考えていない人も、生理がいつ来るのか目安がわかれば心の準備ができますよね。
この記事では、産後生理がいつ頃再開するのか、また生理が止まっている仕組みやいつ再開するのかなどを解説します。産後の生理について知りたい方はぜひ最後まで読んでくださいね。
産後の生理はいつ再開する?再開時期の目安
産後の生理の再開時期は個人差が大きく、1ヶ月程度の人もいれば1年程度で再開する人もいます。
授乳をしている場合、母乳の分泌に必要なプロラクチンというホルモンが分泌されます。プロラクチンは排卵を抑える働きがあるため、授乳をしている方、特に完全母乳の方は1年以上経過してから生理が再開したという人もいます。半年程度で生理が再開する人もいますが、比較的生理の再開が遅くなる傾向にあります。
混合授乳の場合は、授乳の頻度によって、生理の再開の時期が変わると言われています。完全母乳の人よりは生理の再開時期は早いことが多く、産後3〜5ヶ月程度で生理が再開することが多いでしょう。
完全ミルクの場合は、全く授乳をしていないため、プロラクチンの分泌が少ない傾向にあります。人によって個人差はありますが、早い人では産後1ヶ月で生理が再開するなど、比較的早い時期に生理が再開する人が多いでしょう。
産後の身体の状況や授乳の状況によって大きく変わりますので、参考程度にしてくださいね。
産後生理が再開するサイン
そろそろ生理が再開するかなとわかればいいなと思う方もいるでしょう。生理が再開するサインは普段の生理前症状と同じです。
- 肌荒れ
- 下腹部痛
- イライラ
- 気分の落ち込み
- 便秘など
生理前に心身の不調があった人は、産後も同じように生理前に不調が見られることがあります。
また、産前にまったく不調がなかった人でも、産後は不調を感じることがあります。症状を全く感じないという人もいますので、参考程度にしてくださいね。
産後はなぜ生理が止まっているの?体の変化と仕組み
妊娠中に生理がないのはわかるけれど、なぜ出産が終わっても生理が止まっているのか疑問に思う方もいるかもしれません。
ここからは、なぜ産後生理が止まっているのか、体の変化と仕組みについて解説します。
産後は母乳を優先してホルモンが分泌される
産後は赤ちゃんを育てるため母乳を分泌するホルモンであるプロラクチンが多く分泌され、排卵を抑える働きがあります。そのため、産後の生理の再開が遅くなる傾向にあると言われています。
また、授乳中は赤ちゃんがおっぱいを吸う回数が多いほど、プロラクチンの分泌が増えると言われています。そのため、授乳回数が多い人ほど排卵が抑えられ、生理が再開しないことが多いでしょう。
産後はホルモンバランスが大幅に変化する
妊娠中は女性ホルモンであるプロゲステロンが多く分泌されますが、出産が終わると急激に分泌が減り、授乳に向けてプロラクチンの分泌が増えるため、妊娠・出産により女性ホルモンのバランスは大幅に変化します。そのため、産後は生理が止まるのです。
産後の生理はどう変わる?特徴は?
出産を終えたら、産後の生理は変わるのか、疑問に思っている方もいるかもしれません。
産後の生理の特徴はあるのでしょうか。ここからは、産後の生理の特徴と変化について解説します。
産後の生理は不順になることが多い
産後の生理は不順になることが多いと言われています。先述のとおり、産後はホルモンの分泌が大きく変化するため、産後に生理が再開しても期間が短かったり、長かったり、毎月生理が来なかったりと不順になることが多いでしょう。
出血量が少ない場合がある
産後の生理は出血量が少ない場合があります。産後はホルモンバランスの変化が大きく、またストレスなどから出血量が変化します。産後すぐは排卵していない無排卵月経により、出血量が少ないことが多いでしょう。
出血量は個人差が大きく、出血量が少ない人もいれば、反対に多くなる人もいるようです。出血量が少ない場合でも、再開してすぐの場合は、まずは数ヶ月様子をみましょう。しばらく様子をみても出血量が明らかに少ない場合は、産婦人科で相談してみてください。
産後出血が増えることもある
産後の生理で経血量が増えることがあります。経血量は個人差があるため、自己判断は難しいですが、夜用のナプキンが2時間でいっぱいになる、昼用サイズのナプキンが1時間ももたない場合は、出血量が多いでしょう。産後出血が増える原因はさまざまなものがありますが、考えられることは以下に挙げた婦人科疾患です。
- 子宮筋腫
- 子宮腺筋症
- 子宮内膜症
- ポリープなど
出血の量が増えたと自分ではなかなか気がつかないかもしれませんが、以前よりナプキンの使用枚数が増えていたり、息切れや動悸などの貧血症状があったりする場合は出血量が増えている可能性があります。産後の出血が増えている場合は産婦人科を受診し、医師に相談してくださいね。
産後の生理再開に向けたセルフケア
産後、次の妊娠を考えているため、できるだけ早く生理が再開してほしいと思う人もいるでしょう。ここからは、産後の生理再開に向けてできるセルフケア方法をご紹介します。
食生活を見直す
まず大切なことは食生活を見直すことです。
産後は赤ちゃんのお世話を優先するため、自分のことは後回しになる方が多いです。また、時間が確保できたらできるだけ睡眠をとりたいと考える方もいるでしょう。産後の栄養バランスが悪い場合、生理の再開が遅れる可能性があります。授乳中は特に母乳に栄養が必要なため、普段の食事よりも多くカロリーをとる必要があります。厚生労働省では、成人女性の摂取カロリー目安に+450kcalを付加するよう推奨しています。
また、授乳期間は骨粗しょう症のリスクが高くなると言われています。女性ホルモンであるエストロゲンは、カルシウムを蓄えておく働きがあります。授乳期間はエストロゲンの分泌が減りますが、分泌量が減ると、母乳にカルシウムを送ろうと骨が溶けてしまうのです。特に授乳期間はカルシウムが多く必要なため、カルシウムを多く含んだ食事を積極的にとることを意識しましょう。
上記のポイントを踏まえつつ、できるだけバランスのとれた食事をとるようにしましょう。忙しい中で、毎食栄養バランスのとれた食事をとることは難しいかもしれません。その場合は、必要に応じてサプリメントなどを取り入れることをおすすめします。自分で食事を用意することが難しい場合は、宅食などを利用するのも一つの方法ですよ。
参考:妊娠期・授乳期にはエネルギーの必要量が増加 – 厚生労働省
睡眠時間を確保する
睡眠不足からストレスにもつながるため、十分な睡眠時間を確保することは大切です。
ただ、授乳中はまとまった睡眠時間を確保することは難しいこともあるでしょう。まとまって寝られない場合は、昼寝を一緒にするなど、こまめに赤ちゃんと一緒に睡眠をとるようにしましょう。少しでも睡眠時間を確保することが大切です。
また、まわりの協力は必要不可欠なので、パートナーや家族などに協力を頼みましょう。家族など身近な人からのサポートが難しい場合は、産後ケア施設やベビーシッターなどを利用するのも一つの方法です。自分だけでなんとかしようとせずに、まわりの人やサービスを使いながら睡眠時間や休息を確保しましょう。
大豆製品を意識して摂取する
大豆製品には、女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンが多く含まれていますので、積極的に摂取するといいでしょう。
1日の摂取目安は納豆1パック、豆腐1/2丁程度です。スーパーなど、どこでも購入できますし、比較的安価なので、普段の食事に意識して取り入れるといいでしょう。ただ、とりすぎると過剰摂取になります。普段の食事だけでは過剰摂取になることはありませんが、とりすぎには注意しましょう。
ストレス解消方法を見つける
産後は慣れない育児や環境の変化が大きく、ストレスが溜まりやすいと言われています。女性ホルモンはストレスの影響を大きく受けやすいため、ストレスが溜まると排卵が抑えられ、生理が再開しにくいことがあります。そのため、ストレス解消方法を見つけることが大切です。ストレス解消方法は人によって違うため、ゆっくり半身浴をする、1人でカフェに行く、読書をする、音楽を聴くなどどのような方法でもいいでしょう。
また、育児には家族を含め、まわりのサポートが必要不可欠です。まわりの人と協力しながら時間を確保し、自分に合ったストレス解消方法で、できるだけストレスを溜めずに過ごせるといいですね。
産後は生理再開前でも妊娠の可能性がある
産後1ヶ月間は感染予防と傷の安静のために性交渉を控えますが、その後は、特別な事情がない限り、制限する必要はありません。
ですが、産後、生理再開前でも妊娠する可能性はあるため、妊娠を希望していないなら必ず初回から避妊が必要です。産後はホルモンバランスも不安定になっているため、生理が再開しなくても排卵していたということがあります。たまたま初回の排卵のタイミングで性交渉した結果、妊娠してしまう可能性もあるのです。
産後の生理の疑問5選
産後の生理について気になる疑問と対処方法を解説します。
産後の生理期間がバラバラなのはどうしたらいい?
産後の生理の日数や、生理の期間がバラバラになり、大丈夫かなと心配になる方もいるかもしれません。
生理が再開してすぐは不順なことが多いため、心配する必要はありません。ただ、数ヶ月様子をみても生理不順が続く場合は一度医療機関を受診し、医師へ相談してみましょう。
授乳中は生理が再開しない?
授乳中はプロラクチンが分泌されるため、生理が再開しないのではと思う方もいるかもしれません。
ですが、授乳中でも生理が再開する人もいます。生理の再開が遅れる人が多いのは確かですが、必ず生理が再開しないという訳ではありません。
産後生理が再開しない場合いつ病院へ行く?
産後に生理が再開しない場合、いつまで様子を見ていたらいいのかと思うかもしれません。産後に生理が再開する時期は個人差がかなり大きく、授乳状況も影響します。そのため、産後1年程度は様子を見ていてもいいでしょう。ですが、産後1年半〜2年程度様子を見て、生理が再開しないようであれば、産後の体の変化以外にも、病気など、生理が再開しない原因がある可能性も考えられるため、一度医療機関を受診することをおすすめします。
2人目を希望しているけれど生理が再開しない時はどうしたらいい?
2人目の妊娠を希望しているけれど、なかなか生理が再開しないという場合、妊活の時期が遅れてしまうと焦る気持ちもあるでしょう。特に母乳分泌に必要なプロラクチンは、排卵を抑える働きがあるため、母乳栄養の場合、また、母乳の分泌が多ければ多いほど生理の再開が遅れる傾向にあります。
産後すぐには多く分泌されるプロラクチンですが、徐々に少なくなっていきます。早めに断乳するという方法もありますが、母乳は赤ちゃんの発達・発育へのメリットもあるため、断乳まで考えなくてもいいかもしれません。
産後1年程度で徐々に生理が再開することが多いため、しばらく様子を見て待ちましょう。ただ、産後1年経過しても生理が再開しない場合は、一度医療機関で相談してもいいかもしれません。
生理中に痛み止めを飲んでもいい?
出産前は生理痛があまりなかった人でも、産後は生理痛を感じる人もいます。
産後の生理中、授乳をしているから痛み止めを使えないのでは?と思う方もいるかもしれません。授乳をしていても痛み止めは飲んでも問題ありません。赤ちゃんへの影響も心配する必要はありません。服用間隔には注意し、飲みすぎなければ大丈夫ですよ。
ですが、定期的に痛み止めを服用しなければいけないほど生理痛が強い場合、婦人科疾患などが原因のことがあります。痛みが続く場合は、一度産婦人科を受診しましょう。
産後の生理再開は個人差が大きい!焦らずに待とう
産後の生理再開は、授乳状況や疲労、ストレスなどさまざまな状況によって異なります。人によって1ヶ月から1年以上と個人差が大きいため、参考程度にしましょう。
早く生理が再開して欲しいと思うと、ストレスから余計に再開が遠のいてしまうかもしれませんが、できるだけ焦らずにゆったりと待ちましょう。