生まれたばかりの赤ちゃんのお世話で毎日を忙しく過ごしているママやパパ。お世話の合間にはじっくりコミュニケーションをとって赤ちゃんとの絆を深め、より育児を楽しみましょう。
パパやママが赤ちゃんとコミュニケーションを取るのにおすすめなのがベビーマッサージです。
この記事ではベビーマッサージのメリットや準備、やり方、注意点などを紹介します。
赤ちゃんとの触れ合いを楽しみたいというパパやママは、ぜひ参考にしてみてください。
ベビーマッサージのメリット
赤ちゃんとの触れ合いを目的に考えられたベビーマッサージ。ママやパパが赤ちゃんに優しく触れることで、コミュニケーション以外のメリットも生まれます。
最初にベビーマッサージのメリットについてみていきましょう。
赤ちゃんのメリット
ベビーマッサージを受ける赤ちゃんへのメリットとして以下の効果が期待できます。
- リラックス効果
- 夜泣きの軽減
- 発達の促進
それぞれのメリットを得られる理由について詳しくみていきましょう。
リラックス効果
人間は他人と触れ合うことでエンドルフィンというホルモンが分泌されます。このホルモンは「幸福ホルモン」と呼ばれ、多幸感をもたらすと言われています。
ベビーマッサージを通してパパやママと肌を触れ合わせることでエンドルフィンが多く分泌され、赤ちゃんは心身共にリラックスできるでしょう。
夜泣きの軽減
ママやパパを悩ませる赤ちゃんの夜泣き。夜泣きのメカニズムは未だ解明されていませんが、日中の興奮や浅い眠りが原因のひとつと考えられています。
ベビーマッサージは、赤ちゃんにとってフィットネスのようなものでもあります。しっかりと体を動かしつつ心身共にリラックスできるため、ベビーマッサージを行うことで夜泣きが軽減される可能性があります。
便秘の軽減
赤ちゃんは1日の大半を眠って過ごすのが一般的。あまり眠らない子でも、まだ立ったり歩いたりできないため腸が上手く動かず便秘になってしまう子もいます。
ベビーマッサージでお腹をマッサージしたり、体を動かしてあげることは便秘の軽減にも効果が期待できるでしょう。
発達の促進
ベビーマッサージを行う際、肌に適度な圧力がかかり血行を促進する効果が期待できます。血行が促進されると、代謝がよくなったり皮膚免疫力がアップするため、赤ちゃんの体のケアとして最適です。
その他、腕や足を動かすことは脳や体の発達を促すことに繋がります。赤ちゃん自身もリラックスしながら体を動かす楽しさを感じられるため、良い刺激となり成長をサポートしてくれるでしょう。
ママやパパのメリット
ベビーマッサージは、赤ちゃんだけにメリットがある訳ではありません。
赤ちゃんがエンドルフィンの分泌によって多幸感を得るように、マッサージを行うママやパパもエンドルフィンが分泌され幸せな気持ちになれるでしょう。
多幸感を得ることで赤ちゃんへの愛情を感じやすいため、初めての育児で赤ちゃんへどのように接すれば良いのか模索中のママやパパには特におすすめです。
また、直接肌に触れるため、赤ちゃんの体調変化を把握しやすくなります。赤ちゃんの体調を把握して、心身共に健やかな状態を維持してあげられることは、パパやママにとって育児に対する自信を得ることにも繋がるでしょう。
ベビーマッサージの基本はコミュニケーション!夜泣きや便秘対策として考えないようにしよう
さまざまなメリットについて紹介しましたが、基本的にベビーマッサージはコミュニケーション方法のひとつであることを改めて胸に置いておきましょう。
赤ちゃんが夜泣きをしたり便秘になったりすると、パパやママは「何とかしてあげたい」と思うものです。
しかし、悩みを解決するためにベビーマッサージを行うと、マッサージする手に力が入り過ぎてしまったり、赤ちゃんが嫌がっているのにマッサージを続けてしまったりする原因になります。
ここで紹介したメリットはあくまで「おまけ」のようなもの。「夜泣きや便秘が解消されるとラッキーだな」位の気持ちに留めておくのが良いでしょう。
いつからOK?ベビーマッサージを始めるタイミング
続いては、ベビーマッサージを始める時期や時間帯についてのタイミングを紹介します。
ベビーマッサージを始める時期
ベビーマッサージを始める時期に明確な決まりはありません。しかし、生まれたばかりの赤ちゃんの肌はデリケートなため、生後1ヵ月を過ぎてから始めるのがおすすめです。
生後1ヵ月未満の赤ちゃんには手だけや足だけ、などポイントでマッサージをして触れることに慣れてもらうと良いでしょう。
ベビーマッサージをする時間帯
ベビーマッサージを行う時間帯にも明確な決まりはありません。パパやママがゆっくりと時間を取れるタイミングがベストです。
赤ちゃんの機嫌や体調、授乳や眠るリズムにも合わせてベビーマッサージの時間を取ってみましょう。
また、タイミングが合うのであれば以下のタイミングでベビーマッサージを行うのもおすすめです。
お風呂上り
お風呂あがりの温まった体をマッサージすることで、血行を促す効果がより期待できるでしょう。
また、滑りの良い保湿ローションやクリームを使ってマッサージすることで、お風呂上りの保湿ケアにもなります。
寝る前
寝る前にベビーマッサージをすることで、心身共にリラックスし深い眠りにつきやすくなるでしょう。
ただし、赤ちゃんによってはベビーマッサージで楽しくなり目が冴えてしまう子もいます。初めてベビーマッサージをする時は、お昼寝前などのタイミングで様子を見てみてください。
ベビーマッサージで用意するもの
ベビーマッサージを始めるにあたり、準備をしましょう。
おうちにあるものでも構いませんがデリケートな赤ちゃんに直接触れるため、肌に負担のかからないものを選ぶのがおすすめです。
ベビーオイル
マッサージをする際に、肌の滑りを良くするためベビーオイルを使うのが一般的です。肌への負担とならないよう、100%天然由来成分で作られたものを選ぶとよいでしょう。
また、エッセンシャルオイルや人工的な香料は気化して体内に入った際に、肝臓や腎臓の負担となることがあります。赤ちゃんはまだこれらの臓器が未成熟なため、香り付けされていないものを選ぶ方が良いですね。
オリーブオイル・ホホバオイル・スイートアーモンドオイル・カレンドゥラオイル・ココナッツオイル
肌を摩擦しないためにベビーオイルを用いますが、必ずしもベビーオイルである必要はありません。滑りが良いものであれば、ベビークリームなどでもOK。赤ちゃんの肌に合うものを選んであげましょう。
タオル
ベビーマッサージを行う時、赤ちゃんの背中に大きめのバスタオルを敷いて行います。
柔らかく肌への刺激も少ない綿100%のものを選んであげると良いでしょう。
また、マッサージ後はタオルである程度のオイルを拭き取るため、フェイスタオルも数枚用意しておくと安心です。
マッサージで気持ち良くなった赤ちゃんがおしっこをしてしまうことも珍しくないため、バスタオルの下に防水シートを敷いておくのもおすすめですよ。
ベビーマッサージを行うのに適した環境
ベビーマッサージを行う際は、お部屋の環境を整えることも大切です。
赤ちゃんは体温調整が苦手なので、裸で過ごしても問題ない室温に保つことが欠かせません。室温は25度を目安にして、大人がTシャツで過ごしても肌寒くないのが理想的です。
赤ちゃんとしっかり向き合うためにも、テレビを消して音楽を小さな音でかけるなど静かな落ち着いた空間を作ってから始めましょう。
ベビーマッサージを始める前に
ベビーマッサージを始める前は、手を石鹸でしっかりと洗い爪を短く切るなど衛生的な状態に整えましょう。
指輪をしているパパやママは、外すのをお忘れなく。
また、パパやママの手が荒れている時には、事前にハンドクリームをたっぷりと塗って赤ちゃんの肌を傷めないよう気を付けましょう。
ベビーマッサージをする時は下を向くため、髪がかかってしまうと邪魔になってしまうことも。パパやママは髪をゴムで縛ったりヘアバンドを付けて押さえておくと、しっかり赤ちゃんの顔を見てコミュニケーションをとりやすくなりますよ。
ベビーマッサージのやり方
いよいよベビーマッサージのやり方を紹介していきます。ベビーマッサージにはさまざまなやり方がありますが、ここでは基本的なやり方をみていきましょう。
【STEP1】足のマッサージ
たっぷりのベビーオイルを手に取って体温で温めます。
温まったオイルは足の付け根から足先までゆっくりと撫でながら伸ばしていきます。両方の足に伸ばしたら、太ももを内側から外側に向けて捩じるようにマッサージしましょう。
続いて、足裏を土踏まずからつま先に向かって優しく指圧します。力を入れ過ぎず滑らせるように行いましょう。赤ちゃんの足の指を軽く引っ張ってポンっと離し、足指まで丁寧にマッサージしてください。
最後は足首を持って交互にお腹に向けて折り曲げます。膝を曲げ伸ばしして、ストレッチをしたら足のマッサージは完了です。
【STEP2】お腹のマッサージ
お腹からオイルを付けていき「の」の字を描くように掌で優しく撫でます。この時、圧迫してしまうと赤ちゃんが苦しくなるので、力を入れないよう注意してください。
続いて、赤ちゃんの胸に両手を置き、外回りでゆっくりと胸を開かせるように撫でます。赤ちゃんの顔を見ながらゆっくりと手を動かしていきましょう。
【STEP3】腕のマッサージ
肩を撫でるように、手のひらを滑らせて肩関節を温めましょう。そのまま手首に向かってオイルを塗り広げていきます。二の腕も内側から外側に向けて捩じるように手を滑らせ、最後に掌を揉んであげましょう。
赤ちゃんが手を動かしてマッサージしにくい場合は、無理にマッサージを続けなくても大丈夫です。掌を握ってあげるだけでもボディコミュニケーションになるため、焦らずマッサージをしましょう。
【STEP4】背中のマッサージ
赤ちゃんをうつ伏せにして背中のマッサージに移ります。呼吸がしにくくないか、赤ちゃんの様子をよく確認しながら行いましょう。
肩甲骨あたりに掌を乗せて、お尻に向かってゆっくりとオイルを広げていきます。掌全体で背中を包むように何度か、背中からお尻までを撫でてマッサージしてください。
ピアノをひくように指先で背中をトントンと優しく叩き、背中のマッサージ完了です。
【STEP5】お尻のマッサージ
最後はお尻をマッサージします。赤ちゃんのお尻に両手を置いて外回りに円を描くようにマッサージします。
最後に仰向けに戻して、肩から足首まで体の側面を2,3回撫でおろして全てのマッサージ終了です。
ベビーマッサージをする時に注意するポイント
ベビーマッサージを行う際には、いくつか注意するポイントがあります。赤ちゃんにとって負担にならないよう、ここで紹介するポイントに気を付けてマッサージを行いましょう。
マッサージは上から下に行う
大人の場合、リンパを流す目的で下から上へとマッサージするのが一般的。しかし、赤ちゃんのマッサージは上から下への動きが基本です。
心臓から末端へと血液を送り届けるイメージで優しく行いましょう。
無理に体を動かさない
赤ちゃんはじっとしていないものです。手足をばたつかせたり体をよじるなど、パパやママにとってマッサージしにくい時もあるでしょう。
しかし、無理に赤ちゃんの体を動かしたりしないよう注意してください。特に、赤ちゃんの足はM字に開いているのが自然な形です。無理に足を伸ばしたり引っ張ったりしてしまうと股関節が外れてしまうこともあります。
終わった後は水分補給を行う
ベビーマッサージは赤ちゃんにとって、運動のようなものです。代謝が上がり、大きな筋肉を動かすため、体は心地よい疲労を感じるでしょう。
マッサージ後は必ず、授乳や白湯などで水分補給をしてゆっくりと体を休ませてあげるようにしてください。
機嫌が悪かったり体調が優れない時は中止する
ベビーマッサージは赤ちゃんが以下の状態の時には避けた方が良いでしょう。
- 予防接種を受けた後48時間
- 授乳直後
- 機嫌が悪い時
- 肌トラブルがある時
また、ベビーマッサージ中でも、機嫌が悪くなってきたり肌トラブルを発見したりした時は速やかに中止しましょう。
ベビーマッサージは15~20分を目安に
ベビーマッサージを行う時は1回15〜20分を目安にして行うようにしましょう。あまり長くマッサージし過ぎても、赤ちゃんが疲れてしまったり飽きてしまったりします。
また、赤ちゃんが長く落ち着いていられない場合、パーツごとにマッサージしても良いでしょう。朝は足と手だけ、お昼はお腹と背中のように分割する方法もおすすめです。
ベビーマッサージは服の上からでもできるの?
ベビーマッサージを行う際、赤ちゃんを裸にしてオイルを使い最後はお風呂などに入れることも考えると、二の足を踏んでしまうパパやママも少なくないでしょう。
実は、ベビーマッサージは服の上からしてもOK。ただし、服の上から手を滑らせると摩擦が強くかかってしまうため、優しく揉み込むようにマッサージしましょう。
ベビーマッサージは資格不要でできる
大人向けのマッサージは、施術に資格が必要な場合もありますが、ベビーマッサージは特に資格など必要なく誰でも行うことができます。
ただし、協会などが認定しているベビーマッサージの認定資格が存在します。ベビーマッサージについてより詳しく知りたいという人は、認定資格講座などを受講してみるのもおすすめですよ。
ベビーマッサージ教室に参加してみよう
初めてベビーマッサージをすると、手順や力具合など分からないことだらけで不安に感じる人もいるでしょう。そんな時は、ベビーマッサージ教室に参加してみるのがおすすめです。
産婦人科医院や自治体などで行われていることが多いですが、近年の感染症対策で実際に大人数で集まるベビーマッサージ教室はあまり多くありません。
しかし、Skypeやzoomなどビデオ通話サービスを利用してオンラインで教室を開催するケースも増えています。
さらに手軽に参加したい人は、Instagramの人気生配信サービス「インスタライブ」を使ったベビーマッサージ教室などもおすすめです。
当院でも不定期でベビーマッサージや出産・育児に関する情報をインスタライブで配信しておりますので、是非チェックしてみてください。
まとめ
ベビーマッサージは赤ちゃんとパパやママを繋ぐ、ボディコミュニケーションであることが分かりましたよね。
赤ちゃんだけでなく、パパやママも無理なく始められるよう事前にしっかり準備して安全に行ってみてください。
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