赤ちゃんの沐浴はいつまでするものなのか、気になる人もいるでしょう。
そもそも沐浴とは何か、なぜ大人と別でお風呂に入れてあげなければいけないのか知っていますか?
この記事では、赤ちゃんの沐浴と、沐浴卒業のタイミングなどについてご紹介します。
沐浴とは
沐浴とは、新生児期に浴槽でお風呂に入れるのではなく、ベビーバスなど大人と別でお風呂に入れることを言います。
赤ちゃんは新陳代謝が活発で汗をかきやすく、肌はとても敏感なので、湿疹や乾燥などによる肌トラブル予防のためにも、しっかり洗って保湿することが大切です。
それではなぜ大人と別で入れる必要があるのでしょうか。
それは、生まれたばかりの赤ちゃんは抵抗力がとても弱く、また、へその緒がとれる時期は感染しやすくなっている為です。赤ちゃんを感染から守るために、大人のお風呂とわけて入れる必要があるのです。
沐浴の目的
沐浴の目的は以下のとおりです。
- 皮膚を洗い、清潔に保つ
- 赤ちゃんの体の状態を確認する
- 赤ちゃんとのスキンシップ
- 血の巡りをよくする
沐浴は、清潔に保つ以外にもたくさんの目的があります。特に、お風呂で体の状態を確認することはとても大切です。肌トラブルがないか、赤くなっているところはないか、おむつかぶれはないかなど、全身の状態を目で見て確認しましょう。
沐浴で使用するアイテム
沐浴で使うアイテムはさまざまです。家庭により準備している物は異なりますが、基本的なものをご紹介します。
- ベビーバス
- ガーゼ
- バスタオル
- 沐浴布(タオル、ガーゼタオル、手ぬぐい等)
- おむつ
- ベビーソープ
- 綿棒
- 保湿剤
- 着替え
- 湯温計(必要時)
沐浴の手順
一般的な沐浴の方法を解説します。
1.お湯を張り、赤ちゃんをベビーバスへ
おむつや洋服を脱がせて裸にします。沐浴布をかけるか体に巻いてあげると赤ちゃんが安心して保温の効果もあります。足からゆっくりお湯に入れます。適温は38度前後で、季節によって温度を調節するようにしましょう。湯温計があると便利ですね。
顔用とあがり湯用のお湯も洗面器などの別容器に用意しておきます。
2.目や顔を洗う
ベビーバスで顔を洗う場合は、石けんをとり、目や口周りを避けて、おでこ、鼻、ほおを優しくくるくるしながら洗い、濡らしたガーゼで拭き取ります。これが難しい場合は、ベビーバスの外でガーゼを濡らして顔を拭きます。拭く時は面を変えながら拭きましょう。
3.頭を洗う
お湯にガーゼをひたし、頭を洗う。しっかりと濡らした後、石けんで頭全体をくるくるとなでるように洗う。洗い終えたらお湯ですすぎ石けんを落とし、ガーゼで水分を拭き取ります。
4.体を洗う
首→胸、お腹→腕→手のひら→足の順に体を洗います。石けんを手に取り、くびれやシワを伸ばすようにしてやさしく洗います。洗い終えたらお湯をかけて流します。
5.背面を洗う
赤ちゃんの脇の下を抱えて赤ちゃんを下に向け、石けんをとり、首の後ろ→背中→お尻とやさしく洗います。顔がお湯につかないように注意しましょう。赤ちゃんの顔を腕に乗せるようにすると安定しますよ。
6.股間を洗う
上向きに戻し、女の子の場合は、お股を前から肛門に向かってやさしくなでるように洗います。男の子の場合は、おちんちんの裏側に汚れがたまりやすいので、シワを伸ばすようにやさしく洗います。
7.あがり湯で流す
予め別容器に用意しておいたあがり湯をかけ体に付いた石けんを流します。
8.体を拭き、保湿剤を塗る
バスタオルで全身をくるみ、やさしく押さえながら拭きます。その後、全身に赤ちゃん用のローションやオイルなどの保湿剤を塗ります。
9.服を着せる
湯冷めしないようにおむつ、肌着、洋服を素早く着せましょう。
沐浴の頻度
基本的に毎日入れましょう。1日1回が目安です。沐浴は赤ちゃんが疲れてしまうため、1日に何度も入れることは避けましょう。
沐浴後のお手入れ
沐浴後のお手入れで大切なことはスキンケア、鼻や耳のケアです。
毎日しっかりスキンケアをしよう
沐浴後は保湿することが大切です。
赤ちゃんの肌は生後1ヶ月をピークに皮脂分泌量が徐々に減ります。水分が奪われて乾燥しやすい状態です。
また、生まれてすぐからしっかり保湿することで、アトピー性皮膚炎を予防できるとも言われているため、沐浴後は必ず保湿をしましょう。
保湿のポイントは以下のとおりです。
- 洗ったらできるだけはやく保湿する
- ローションやオイルは、肌がテカっとするぐらいたっぷり塗る
- ごしごしこすらず塗り込む
鼻のお手入れはできる範囲で
沐浴後に鼻くそが見えている場合は、綿棒でくるくるしながら取ってあげましょう。見える範囲で、手前の汚れがとれたら大丈夫です。嫌がるようなら、機嫌のいい時にしてもいいでしょう。
耳のケアも忘れずに
忘れがちですが、耳のケアもしましょう。
耳も表面の水分や汚れがとれたらOKです。耳のくぼみは水分や汚れなどがつきやすいので、綿棒でやさしく拭きます。耳の奥まで綿棒を入れないよう、顔を押さえながら拭き取りましょう。耳の裏も忘れずに、タオルで押さえながら水分を拭き取りましょう。
沐浴で注意するポイント
沐浴では、注意するポイントがいくつかあります。ここからは注意するポイントを解説します。
室温は20度以上が目安
赤ちゃんは体温の調節機能が未熟なため、すぐに体温が下がってしまいます。その為、部屋の温度を調整し、湯冷めしないように注意しましょう。
室温は23〜26度が目安です。季節により適切な温度は変わりますので、暑すぎず、寒すぎない温度にしましょう。
沐浴のタイミングと時間帯に注意しよう
沐浴のタイミングも大切です。授乳直後と空腹時は避けるといいでしょう。授乳後30分以上あけてから沐浴することをおすすめします。
また、できるだけ毎日同じ時間に入れることで、生活のリズムができます。家庭により適切なタイミングは異なりますので、都合に合わせて調整して問題ありません。
必ず赤ちゃんから目を離さないようにしよう
沐浴の最中は必ず赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。赤ちゃんから長時間目を離すことはないと思いますが、石けんをとる時など、一瞬目を離した時に赤ちゃんがすべってしまうこともありますので、油断は禁物です。
沐浴は5〜10分程度で時間をかけすぎない
慣れない間は沐浴に時間がかかることもあるでしょう。
先述の通り、赤ちゃんは体温調整がうまくできないので、湯冷めしやすいので注意しましょう。沐浴の時間が長くかかりすぎると体が冷えてしまうので、洗う時間は5分程度、お着替えまでを含めて10分程度で終わるようにするのが理想です。
負担がかからない姿勢でやろう
最初は慣れないため、短時間の沐浴でも体の負担が大きいと感じる方もいます。
沐浴はリビングやダイニングテーブル、洗面所、お風呂などベビーバスを水平に置けたらどこでもOKです。中腰にならない姿勢ですると体への負担が少ないでしょう。
沐浴がむずかしい‥楽に入れるポイントは?
沐浴という慣れない作業に多くのママ・パパが四苦八苦することでしょう。
ここからは、できるだけ楽に沐浴を行う為のポイントを解説します。
泡タイプの石けんを使う
まずは泡タイプの石けんを使うことです。
固形石けんは泡立てる必要があるので、時間も手間もかかります。
ワンプッシュで適量とれる泡タイプの石けんを使うと簡単にできるでしょう。
ベビーバスは深すぎないものを使う
ベビーバスはさまざまなタイプのものがありますが、深すぎるものだと赤ちゃんをしっかり抱っこしていないといけないため、慣れない間は難しいと感じる人もいます。
深すぎずしっかりと抱っこを維持できることを目安にベビーバスを選びましょう。
スムーズにできるよう着替えを先に用意する
湯上り後の手順をできるだけスムーズに行えるよう、着替えなどを予め準備しておくことも大切です。
タオルやおむつはすぐ手の届く場所に置いておくことや、肌着と服を重ねて準備しておくなど事前準備しておくと慌てなくて済みますよ。
便利グッズを活用する
今は沐浴関連の商品がたくさん販売されています。体への負担が少なく、1人でも入れやすいような、お風呂マットやバスネットなど、さまざまな商品があるので、活用してみるといいでしょう。
沐浴を卒業するタイミング
沐浴行う期間の目安は、基本的には新生児期間(生後1ヶ月まで)です。
ですが、ママ・パパの中にはいつまで沐浴を続ければいいのかなと疑問に思う方もいるでしょう。時期以外にも沐浴卒業を判断するポイントなどはあるのでしょうか。
一般的には新生児期間まで
一般的には、一ヶ月健診で医師の許可が出たら一緒にお風呂に入る人が多いでしょう。1ヶ月経つと、赤ちゃんも抵抗力がついてきます。
ただ、1ヶ月経っても一緒にお風呂に入れることに抵抗がある場合や、不安がある場合は沐浴を続けてもいいでしょう。
医師からの許可に加え、赤ちゃんのお世話にある程度慣れて、一緒にお風呂に入れるかなと思ったタイミングで沐浴を卒業するといいでしょう。
ベビーバスは3ヶ月程度使う人も
また、ベビーバスは3ヶ月程度使うという人もいます。
赤ちゃんの成長によって、ベビーバスが使えなくなるので、思い出を残すという意味合いも兼ねて、使える間は沐浴をするという人もいます。そのような場合も、安全な方法でできるようであれば問題ないでしょう。
初めてのお風呂はどうやって入れる?
沐浴後、初めて一緒にお風呂に入る時は緊張するでしょう。
また、どうやって入れればいいの?と疑問に思う方もいるかもしれません。
ここからは、初めてのお風呂の時の入れ方の大まかな流れをご紹介します。各家庭で状況は変わりますので、参考にしていただき、お家の環境に合わせて工夫してくださいね。
大まかな流れ
お風呂の前に着替えやタオルなどを準備します。バウンサーなどがあればお風呂のドア近くに準備しておきましょう。
- 赤ちゃんの服を脱がせる。寒いようなら、赤ちゃんの服のボタンや紐だけ外しておき、すぐに脱げるように準備しておく
- 赤ちゃんと一緒にお風呂に入る。顔・頭・体など沐浴と同様に洗い流す。
- 洗い終わったら赤ちゃんと一緒に湯船につかる。シャワーのみの場合はなしでOK
- 赤ちゃんをお風呂から出して、体を拭き、保湿し服を着せる。
大人は先に洗って赤ちゃんと一緒に出る、もしくは赤ちゃんだけ先に洗って後から洗う、どちらでもOKです。バスローブなどがあれば便利ですよ。
初めてのお風呂で注意するポイント
初めてのお風呂で注意するポイントがいくつかありますので、ご紹介します。
お湯の温度は38〜40度に設定しよう
まずお湯の温度ですが、少しぬるめの38〜40度にしましょう。お湯の温度が高いと、肌が乾燥しやすくなり、かゆみや赤みなど肌トラブルの原因になります。
絶対に目を離さない
絶対に赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。この時期の赤ちゃんは、まだ動き回る心配はありませんが、1歳までの間に、浴槽での溺水事故が多く報告されています。一瞬目を離したすきに事故が起こる可能性もあるのです。
その為、大人が体を洗う時は浴室のドアを開けて、赤ちゃんの状態を確認しながら入れるなど、赤ちゃんから目を離さないようにしてくださいね。
抱っこはすべりやすいので注意しよう
お風呂の中では泡や水に濡れていることから、普段と比べると抱っこがすべりやすく、安定しにくいです。そのような場合は、自分の体と赤ちゃんを密着させるように抱っこすると安定しますよ。
バスマットなどを活用して、赤ちゃんを寝かせながら洗ってあげるのもいいですね。
寒い季節は室温をあげる
冬は室温が下がるため、お風呂後湯冷めしやすいです。また、浴室との温度差も体へ負担がかかります。大人の体も冷えないように、お風呂や脱衣所の室温をあげるようにしましょう。
お風呂後の保湿は継続しよう
お風呂後の保湿は継続しましょう。保湿は継続することで、肌のバリア機能が高まり、肌トラブルの予防ができます。
1人で入れる場合は事前準備を万全にしよう
1人で入れる場合は事前の準備が非常に大切です。お風呂の準備、お着替えの準備、お風呂後のケアグッズの準備、赤ちゃんが待つ場所の準備など、事前準備することがたくさんあります。
慣れるまではバタバタすることも多くありますが、便利グッズの活用や、機嫌のいいタイミングでお風呂に入るなど、工夫しましょう。
赤ちゃんの様子を見ながらお風呂デビューを楽しんで!
沐浴にようやく慣れたと思ったら、お風呂デビューの時期がすぐやってくると感じるかもしれません。平均は新生児期までですが、家庭の状況や赤ちゃんの様子をみながら時期を考えましょう。
お風呂は赤ちゃんとの大事なスキンシップの時間でもあります。慌ただしいかもしれませんが、たくさん触れ合って楽しいお風呂時間を過ごしましょう。