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妊娠の可能性がある場合、いつ病院に行く?週数の計算方法や心拍が確認できる時期も紹介

医療法人みらいグループ
疑問を持つ女性

「体調がすぐれない」「生理が予定日を過ぎてもこない」などの変化から、妊娠の可能性を考えることがあるかもしれません。
妊娠検査薬で陽性反応が出た場合、産婦人科を受診する必要がありますが、「いつ受診すべき?」と迷う方も少なくありません。

本記事では、妊娠の可能性がある場合に病院へ行くタイミングを詳しく解説します。
あわせて、妊娠週数の計算方法や心拍が確認できる時期、妊娠検査時の持ち物、受診の流れなども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

【チェックリスト】妊娠の可能性がある人の特徴

体調不良や生理の遅れがあると、妊娠を疑う人もいるでしょう。最初に、妊娠の可能性がある人の特徴を紹介します。チェックリストを確認して、妊娠の可能性がある人は市販の妊娠検査薬で妊娠の有無を調べてみてください。

  • 1ヶ月以内に性行為があった
  • 生理が2週間以上遅れている
  • 微熱が続いている
  • 体が火照っているように感じる
  • 胸の張りが続いている
  • 時間帯を問わず眠気を感じる
  • 食欲が出ない
  • 吐き気がある

チェックの数が多い程、妊娠の可能性が高いと考えられます。

妊娠しているかも?と思ったら、まずは妊娠検査薬を使用しよう

妊娠検査薬を持つ女性
妊娠の可能性がある場合、病院を受診する前に市販の妊娠検査薬を使用して調べるのがおすすめです。市販の妊娠検査薬は病院で行うものと同等の精度があるため、陽性反応が見られる場合、高い確率で妊娠していると考えられるでしょう。

妊娠検査薬を使用する場合は以下の点に注意してください。

  • 生理予定日から2週間以上経過してから行う
  • 説明書をよく確認し、正しい手順で妊娠検査薬を使用する

なかには生理予定日の前から使用できる早期妊娠検査薬という種類もありますが、一般的な妊娠検査薬は生理予定日の2週間後から使用できるものが大半です。適切な時期に検査しなければ妊娠検査を正しく行えないため、検査を行う時期については十分に注意しましょう。

妊娠の可能性があるときはいつ病院に行けばいい?

女性を診察する女性医師
妊娠検査薬で陽性反応が出たら、なるべく早めに産婦人科を受診しましょう。
受精卵が子宮の適切な位置に着床しているのかどうか、医師によって診断を受ける必要があります。

妊娠の可能性がある場合、生理予定日の2週間後~1ヶ月以内に受診するようにしましょう。万が一妊娠していなかった場合も、生理が1ヶ月遅れているなら生理不順やその他の婦人科系疾患の可能性があります。

なお、生理予定日の2週間よりも早い時期に受診した場合、胎嚢(赤ちゃんの入った袋)が確認できない事が多いです。胎嚢が確認できないと、妊娠の有無を診断できないため、早期妊娠検査薬などで早くに妊娠判定が出た人も、生理予定日の2週間後まで待ってから受診するのがよいでしょう。

妊娠週数の数え方

病院で妊娠検査を受けた際に「妊娠6週目ですね」と医師から伝えられ驚く人も少なくありません。「生理が遅れて2週間目なのに、どうして6週なの?」と疑問に思う人もいるでしょう。
実は、妊娠週数のカウントは前回の生理が終了した時まで遡ってスタートします。つまり、前回の生理が起こってから次の生理予定日の時点で「妊娠4週目」と数えられるのです

4週+生理予定日2週間後=妊娠6週目

妊娠の流れでは前回の生理が終ったあと、排卵前後のタイミングで性行為を行い、受精卵が誕生し、子宮に着床します。生物学的には、受精卵が子宮に着床した時点で妊娠が成立したことになります。
しかし、これらの日数を正確に割り出すのは不可能なため、前回の生理が終ったタイミングからカウントしているのです。現在は、最後に起こった生理の最終日を0週0日として、40週後を出産予定日として算出します。
一方、排卵のタイミングが遅れることも珍しくないため、必ずしもこの方法で正しく妊娠週数が計算できる訳ではありません。その際は、赤ちゃんの成長具合に合わせて妊娠週数を修正することもあります。

心拍が確認できるタイミング

妊娠検査では、胎嚢を確認すると共に、赤ちゃんの心拍(心臓の動き)があるかどうかを確認することが重要です。そのため、妊娠検査をして胎嚢が確認されていても、心拍が確認できない場合は再検査を必要とされることがあります。
心拍は妊娠6週頃から確認できることが多いです。そのため、生理予定日の2週間後に受診すれば、胎嚢と心拍の両方を確認できる可能性が高いでしょう。
一方、排卵日が遅れていた場合には、妊娠6週目の時期であっても心拍を確認できないことがあります。また、流産の予兆として心拍が確認できないこともあるでしょう。心拍が確認できない場合は1~2週間後に再検査を受けるよう指示されることが多いです。

病院に行く時期を遅らせるのが望ましくない理由

病院へ妊娠検査を受けに行く時期について悩んでいる人のなかには、SNSや先輩ママからのアドバイスなどで「遅めに検査を受けると確実に嚢胞も心拍も確認できるよ」なんて意見を聞いた事がある人もいるでしょう。
正常妊娠している場合、遅い時期であれば確実に胎嚢や心拍を確認できます。
しかし、妊娠検査において最も重要なのは妊娠の有無ではなく「正常に妊娠しているのかどうか」であることを知っておいてください。
受精卵が子宮以外に着床してしまう異所性妊娠(子宮外妊娠)になると、妊娠検査薬は陽性を示します。しかし、卵管などで受精卵が成長を続けてしまうとある日突然卵管が破裂して体内で出血を起こし、場合によっては命の危険に晒されてしまう可能性があります。
また、絨毛細胞が増殖する胞状奇胎になってしまった場合、異所性妊娠と同じく妊娠検査薬は陽性を示します。胞状奇胎は絨毛ガンのリスクを上昇させる病気です。速やかに異常な受精卵や絨毛細胞を取り除き、経過観察を行う必要があります。
このようなリスクを取り除くために、妊娠6週目に当たる時期に速やかに医師による診断を受けることが推奨されています。
自分自身の健康を守るために必要な検査として、適切な時期に妊娠検査を受けてください。

妊娠検査を受ける際に病院に持って行くもの

妊娠検査を受ける際には、以下のものを持参するとよいでしょう。

健康保険証 or マイナンバーカード

妊娠検査は保険外診療となります。しかし、多くの産婦人科医院で保険証の提示が求められるため、必ず持参しておきましょう。

現金

妊娠検査の費用を持参しましょう。クレジットカードや電子マネーを利用したい場合は、病院で対応してもらえるか事前に確認しておくことが大切です。
妊娠検査は保険外診療のため、費用は余裕をもって持参しましょう。一般的に1~2万円程度を持っておくとよいと言われていますが、不安な場合は病院に問い合わせをして診察費用を確認しておくと安心です。

ナプキン

エコー検査を行った際、稀に少量の出血を起こす場合があります。また、内診の際の保護用ジェルなどが後から垂れてくる場合もあります。そのため、使い慣れた生理用品を持っておくと安心でしょう。

その他

以下のものを持っている人は持参するとよいでしょう。

  • 基礎体温表
  • 他院からの紹介状
  • 過去の病歴が分かる資料
  • お薬手帳

他院からの紹介状を持っている人は、あらかじめ紹介状を持っていることを電話などで伝えてください。

病院で妊娠検査を受ける流れ

病院で妊娠検査を受ける際には、以下の流れで受診します。

1.予約する

病院によっては完全予約制であったり、一般診療と妊婦検診で時間帯を分けている場合もありますので、事前に受診予定の病院に確認しましょう。
産婦人科の場合、出産や妊婦の急変などが起こると緊急対応が必要です。そのため、一般の診療科に比べて予約していても受診までの待ち時間が発生しやすい傾向にあります。次の予定などはなるべく入れず、時間に余裕をもって予約するのがおすすめです。

2.問診表に記入する

病院で受付を行う際、問診票への記入を求められます。問診表では、以下の内容への記載を求められることが多いでしょう。

  • 最終月経日
  • 月経周期
  • 妊娠、出産経験の有無
  • 病歴
  • アレルギーの有無

最終月経日や月経周期が正確に分からない場合は、その旨とおおよその日数を記載しておきましょう。病歴やアレルギーの有無などは、今後の診療においても重要な問題なので、できる限り詳しく記入してください。

3.尿検査

尿検査では尿中のhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)量を測定します。hCGは、妊娠すると分泌される糖たんぱく質ホルモンの一種で、市販の妊娠検査薬でもhCG値によって妊娠の判定を行っています。通常の尿検査と同じく、トイレで採尿カップなどに自分で採尿をして提出しましょう。
hCGは、妊娠週数ごとに分泌量が異なるため、異常に多かったり少なかったりすることがないかなどもチェックされます。hCGレベルが一般的な数値よりも低い場合は流産や異所性妊娠の可能性が考えられ、高い場合には多胎妊娠や胞状奇胎の可能性が考えられます。

4.経腟エコー検査

経腟エコーでは、プローブと呼ばれる超音波検査用の医療機器を用いて精密な検査を行います。お腹の上から超音波を当てる腹部エコーでは、まだ小さな赤ちゃんを確認できないため、経腟エコーによって検査する必要があります。
検査を受ける際には、内診台に乗り、足を開いた状態で膣にプローブを挿入します。やや圧迫感を感じることがあるかもしれませんが、振動や熱などはありません。胎児の映り加減によっては多少プローブを動かすこともありますが、もしも痛みを感じる場合には医師に伝えてください。多くの場合、1~2分程度で終了することが多いです。

5.診断

尿検査や経腟エコーの結果から、医師により診断を受けます。心拍が確認できなかった場合は、再検査を受けるよう指示されるでしょう。
正常に妊娠していた場合は、次回以降の妊婦検診のスケジュールに関する説明を受けて終了です。
妊娠検査では、妊娠週数が正確かどうかを判断できないことが多いため、出産予定日などは次回以降の妊婦検診で告知されるケースも少なくありません。

妊娠検査の際のおすすめの服装

ワンピースとスカート
妊娠検査の際には、経腟エコーを受けるため、着脱しやすい服装がおすすめです。特に、パンツスタイルなどの場合、ズボンと下着の両方を脱いで内診台に乗る事に抵抗を感じる人も少なくありません。(この場合、乗った後にタオルをかけるなどの配慮をしてくれる病院も多くあります)
ゆったりとしたワンピースやスカートなどを着ていくと、下着だけを脱いだ状態で検査ができるのでおすすめです。

病院で妊娠検査を受ける際の費用相場

妊娠検査は保険適用外の診療です。一般的な費用相場では5,000~1万円程度と言われていますが、病院によって異なります。
しかし、正常な妊娠ではなかった場合や異常が見つかった場合は、保険適用になる可能性があります。
費用について不安に思う場合は、事前に病院に問い合わせをしておくとよいでしょう。

当院の妊婦健診について

まとめ

今回は妊娠の可能性がある場合に病院へいつ行くのがよいのかを紹介しました。妊娠の可能性がある場合、基本的には妊娠6週目にあたる生理予定日の2週間後を目安に病院を受診しましょう。
早すぎると何度も受診する手間が増えてしまうかもしれませんが、あまりに遅すぎると異所性妊娠や胞状奇胎など命に関わる病状を見逃してしまう可能性があります。
適切な時期に正常に妊娠しているかどうかを調べられるよう、今回紹介した内容を参考に受診してみてください。

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この記事の監修
エナみらいグループ総院長 宿田 孝弘
宿田 孝弘
エナみらいグループ総院長
札幌・石狩の産婦人科「エナレディースクリニック」の宿田です。母と子に優しいお産、女性が求める医療がエナにはあります。札幌・石狩市での出産や婦人科疾患のお悩みなど、お気軽にご相談ください。