生理は女性にとって体調や体の状態を知るための健康のバロメーターとして、病気や不妊症など、身体に異常がある場合に生理に何かしらのシグナルとして現れることが多く、また生理周期を知ることは体の状態を簡単に知るセルフチェックの役割を果たしてくれます。
生理不順の定義
生理周期は毎回同じ周期とは限らず、生理周期の目安を25日~38日として、プラス、マイナス6日以内のズレであれば、あまり心配することはありません。
しかし、生理がこなかったり、生理周期が不安定など、生理周期に乱れがある場合には要注意です。
この生理周期の乱れのことを生理不順(月経不順)といい、規則正しい月経がこないことを指します。
生理不順の原因には、日常の生活の疲れやストレス、ダイエット、過剰な運動など様々な要因が挙げられ、生理不順が続く場合には卵巣機能やホルモンの異常が疑われ、放っておくと不妊症の原因ともなりますので生理周期を把握しておくことは健康を管理する上でも大切な役割があります。
- 正常な生理周期日数:25~38日
- 変動:6日以内
- 卵胞期日数: 17.9±6.2日
- 黄体期日数:12.7±1.6日
- 出血持続日数:3~7日(平均4.6日)
- 経血量:20~140ml
- 初経は10~14歳
- 閉経は43~54歳
上記に該当しない場合、生理不順に該当します。
通常、月経期になると脳の「視床下部」から、すぐ下にある「脳下垂体」に卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌され、卵巣は、脳下垂体からの司令によって2種類の女性ホルモン「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」を分泌することで、女性の身体特有の生理のリズム(周期)を作り出しています。
生理不順は、この2種類の女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の分泌のバランスが乱れることで起こります
3ヶ月間生理が止まっていたら要注意
生理周期が乱れがちな女性は多くいますが、3ヶ月以上の遅れはちょっとした周期の乱れとは異なり、重篤な病気の初期症状である可能性が考えられます。
また、生理が3ヶ月間ない場合のことを「無月経」といい、これは生理不順よりも深刻な状態です。
無月経の場合、卵巣の働きが悪く排卵ができない状態になっており、放置するとホルモン異常につながるため、早めの受診が必要です。
その他、生理周期が24日以下の場合「頻発月経」、39日以上の場合「希発月経」、排卵せずに月経がきている場合「無排卵月経」といい、どれも月経異常となります。
これらの月経異常では、卵巣機能が低下してしまい女性ホルモンが十分ではなく、卵巣にホルモンを出すよう命令する脳からの指令が届かない「多嚢胞性卵巣」や、体質的な異常で排卵が上手くできなく、出産後ではないのに母乳を作るホルモンが出過ぎる「高プロラクチン血症」という病気などの原因にもなります。
このように生理不順には思いがけない大きな病気が潜んでいることもあります。
生理不順を防ぐためには、日常から規則正しい生活やバランスの取れた食事、質のよい睡眠をとるなどセルフケアを心掛けてください。
少しでも違和感を感じたら早めに受診しましょう
生理周期の乱れは、日常のストレスやダイエットなど些細な原因で生じやすいものです。
生理開始日から周期を予測するだけではなく、基礎体温を測って、実際にホルモンバランスが整っているかどうかもしっかり確認することも大切です。
また、現在、生理不順で悩みや不安を抱えている方、原因に心当たりがないという方など、少しでも気がかりなことがございましたら当クリニックまでご相談にいらしてください。